「まさか自分が痔になるなんて…」妊娠中や産後、突然のいぼ痔に悩まされる女性は多くいます。

実際、助産師としてこれまで多くの妊婦さんやママたちの相談を受けてきましたが「恥ずかしくて誰にも言えなかった」と打ち明ける方は少なくありません。
この記事では、妊娠や産後に多い「いぼ痔」の原因や自宅でできるケア方法、さらには助産師として多くの女性にアドバイスしてきた効果的な治し方まで詳しくお伝えします。
妊婦・産後ママに「いぼ痔」が多い理由とは?

妊娠中は、赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなり、骨盤内や肛門周辺の血管を圧迫します。
その結果、血流が悪くなり、「いぼ痔」(痔核)が発症しやすくなります。
また、妊娠によって女性ホルモン(プロゲステロン)が増加することで腸の動きが鈍くなり、便秘になることも痔を誘発する原因のひとつ。

さらに産後、特に自然分娩を経験したママは、出産時に強くいきむことで肛門周囲に大きな負担がかかります。

その結果「妊娠中にはなかったのに、産後突然いぼ痔になった…」というケースも珍しくありません。
お産が終わりしばらくすると軽快する人がほとんどですが、まれに改善されない人もいます。
その場合は専門医に診てもらい、最適の治療を判断してもらいましょう。
自宅で簡単にできる!いぼ痔のケア方法

いぼ痔の症状を少しでも軽減するためには、自宅でのケアがとても重要です。
清潔に保つ
シャワー時などに優しく肛門を洗い流して清潔を保ちます。
トイレの後は必ず温水洗浄や濡れたティッシュで優しく拭くようにしましょう。(こすりすぎは逆効果。軽く押さえる程度で十分です。)

感染予防することが痔の悪化を防ぐ上で最も大切です。
温めて血行促進
お風呂でゆっくり温まることで、肛門周辺の血行が良くなり、症状が緩和されます。
ただし熱すぎるお湯は逆効果なので、ぬるめのお湯(38〜40℃)がおすすめです。
便秘予防

便秘は痔を悪化焦るので、食物繊維や水分をしっかり摂り、便秘を予防することも大切。

香辛料は肛門粘膜を傷つけやすいので控える方がいいです。
排便は2日以上ためないように注意し、それが困難なら緩下剤を処方してもらいましょう。
排便時もあまりいきまないようにしてください。
なるべく還納させる
シャワー時などに指で肛門粘膜を押し込みなるべく還納させましょう。(還納することで血液循環も良くなります)
塗り薬を使うと還納しやすくなるので、妊婦健診時や産後診察の時に医師に伝えて処方してもらいましょう。

産後すぐの痔は腫れていることが多く痛みも伴うので、腫れが治ってから還納する方がいいです。
助産師おすすめ!いぼ痔に効く具体的な治し方

骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋を鍛えると肛門周囲の血行が改善され、痔の予防や症状緩和に効果的です。
助産師としておすすめする簡単なトレーニング法をご紹介します。
- 仰向けに寝て膝を立てます。
- ゆっくりと肛門周囲を締め、5秒キープ。
- 息を吐きながらゆっくりと緩めます。
- 毎日10回×3セット行いましょう。
クッション活用術
円座クッションを使うと、座ったときに肛門周囲への圧迫が軽減され、痛みや腫れが落ち着きます。

授乳中やデスクワークの際など、日常生活で積極的に使ってください。
こんな円座クッションがおすすめ

薬を処方してもらう

妊婦検診時や産後の検診の際に医師や助産師に痔があることを伝え、薬を処方してもらいましょう。
市販の痔用薬は、妊婦・産後でも使えるものを選ぶことが大切。(ステロイド成分が含まれていないものを選ぶようにしましょう。)

市販薬を買う際は薬局で薬剤師さんに相談すると安心ですよ。
出産時に助産師に伝える
出産時のいきみによって痔がひどくなることが多いです。

分娩介助してくれる助産師に伝えておくと、しっかりと痔部分を押さえてくれ、ひどくなるのを避けることができます。
こんな時は病院へ!受診の目安

以下の場合は我慢せず、専門医への受診を検討しましょう。
- 痛みや出血が激しい
- 日常生活に支障をきたす
- 自己ケアを続けても症状が改善しない

産婦人科や肛門科では、妊娠中・産後に安全に使える薬の処方や治療法をアドバイスしてくれます。恥ずかしがらずに気軽に相談しましょう。
最後に

妊娠・産後の「いぼ痔」は、多くの女性が経験する一般的な悩みです。(実際私も長女を出産後に痔になりました…。)

助産師として多くの女性のケアをしてきましたが、いぼ痔に悩む方が適切な対処をすると、症状が驚くほど改善します。
「自分だけ…」と悩まず、ぜひこの記事でご紹介した方法を試してみてくださいね。